彼女はきっと振り向かない
「誕生日に本当の俺を知ってほしいでどうよ?」
「なんかきもくね?」
「んじゃあ、今日は王子やめてもいい?」
「女々しい」
「はい。ネタ切れー」
「こっちは真面目に悩んでるんだぞ」
「分かってるっての。俺が考えた安っぽいセリフよりお前の本音が聞きたいんじゃねえの、委員長は」
「俺の本音…」
「誕生日はとことん素でいけよ」
お前に力を貸すことが、七尾を傷つけることになる。
それでも俺は廉を裏切れないし、七尾を守ることもできない。
「いつもありがとな、響」
「は?またホモの下り?」
「ちげーよ、アホ」