彼女はきっと振り向かない
土曜日のことだった。
ちょうど一週間後は廉の誕生日。
男同士でプレゼント交換なんてしたこともないけど。
よく来る街の駅前をぶらぶらとしていると、男物の店の前をうろうろする人影に出会った。
「あれ、もしかして委員長?」
「相良くん!?」
そう、委員長こと杉野みちる。
「こんなとこで何してんの。すげー不審」
「え、嘘。いやその…私は…別に」
こんな店に委員長が自分のものを買いにくるはずはない。
ということは…
「廉の誕生日プレゼントか」
「な、なんで分かったの!?」
ちょうどそんなこと思いながら歩いていたせいもあり、ピンと来た。