恋模様2



凄まじい音に誰かの悲鳴。人のざわめく声




「そ…ぅ………、爽、爽ォォォ!!!!」




「じゃあな」と俺らが別れた数分後、爽は事故にあった




俺はそんなこととは知らず空港へと向かっていた




爽が事故にあったと聞いたのは、空港についてからだった




爽が運び込まれた病院へ着くと日村さんが泣きじゃくっていた




手術室のランプが点灯していた



康弘も爽のお兄さんであろう人も静かで、ただ廊下には日村さんの泣き声だけが響いていた




それから何時間経っただろうか、手術室の扉が開き、ベッドに寝ている爽が出てきた




体中傷だらけで、頭には包帯が巻かれていた




康弘と日村さんがどんなことを話し掛けたのか、今は思い出せない




ただ、今でも思い出せるのは、医師とお兄さんの話




「それじゃあ、爽は?」




「いつ意識が戻るか分かりません。一年後かまたは一生戻らないかもしれません」





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