恋模様2
今、隣で眠っている爽はあの時のまま
「敦、お前こそ仕事は?」
康弘が缶コーヒーを差し出していた
俺はありがとうと受け取った
「今は、コンクールに出す写真を撮っているんだ。だから、仕事への支障はないよ」
康弘はふーんという顔をしていた
「でも、まぁ、体壊すなよ。お前、毎日来てんだろ?」
「あぁ…、ありがとう」
病室にはただ爽の呼吸だけが響いていた
「あ、そういえば…日村さん元気?最近、見ないからさ…」
「あぁ、今、試験とか何かと忙しいんだと…」
「まだ、爽が事故にあったのは自分のせいだと思ってんのかな?」
「さぁな…」
「違うのにね、俺が悪いのにね…」
「違う、あれは事故だったんだ!!誰のせいでもない!!」
「違う!!俺だ!!俺なんだ…あの日送ってあげればよかったんだ…俺が着いてけば…」
後から後から溢れる涙
「敦…」
この事故は爽だけでなく、俺たちにも大きな傷を残した