恋模様2
「あたしのせいなんだよ!!あたしがあの時マフラーを飛ばされなければ…」
「違うって言ってるだろ!!あれは事故だったんだ!!」
病室に入ると康弘と日村さんが口論をしていた。俺の存在に気付いたのか、一瞬静かになった
「どうしたのさ?喧嘩なんて…。ここ病室だから、静かに…」
俺は苦笑いをしながら、2人の仲介に入ったつもりだった。けど、俺の行動に火がついたのか、日村さんの口が開く
「何よっ、敦君だって思ってるんでしょ?あたしが、あたしのせいで爽がこうなったんだって!!」
「違う、違うよ。日村さんのせいじゃないよ…」
「本当のこと、言いなさいよ!!あたし知ってるんだよ、毎日ここに来るたびに震えながら泣いてるのを!!」
びくっ、と体が反応したのがわかった
「あれは、あたしに対する怒りで…」
「止めろっ!!」
−バチッ−
康弘が声を上げたのと同時に、日村さんがしゃがみ込む
康弘が日村さんに手を挙げたのだ