恋模様2



−カタカタッ−




病室の引き戸が開き、見慣れた顔がやってきた




「爽は?」




俺は左右に首を振った




「康弘、仕事は?」




康弘は佐伯グループの一人息子であり、高校の卒業と共に会社を継いだのだ。今で言う、若社長




「はぁ?見舞いに来ちゃだめなのかよ、彼氏君」




「ち、違くて…お前これでも社長……」




俺が言い終わる前に、康弘によって遮られた。




「大丈夫、俺の分は終わらせてある」




そう言った康弘の横顔は何だか淋しそうだった







< 3 / 88 >

この作品をシェア

pagetop