恋模様2
−カタカタッ−
病室の引き戸が開き、見慣れた顔がやってきた
「爽は?」
俺は左右に首を振った
「康弘、仕事は?」
康弘は佐伯グループの一人息子であり、高校の卒業と共に会社を継いだのだ。今で言う、若社長
「はぁ?見舞いに来ちゃだめなのかよ、彼氏君」
「ち、違くて…お前これでも社長……」
俺が言い終わる前に、康弘によって遮られた。
「大丈夫、俺の分は終わらせてある」
そう言った康弘の横顔は何だか淋しそうだった