恋模様2



「爽!!」




「兄…ちゃん?」




爽の声は弱々しく、かすれていた




「聞いたよ、お前は馬鹿で阿保で……、俺の自慢の妹だ」




爽は微笑み




「兄ちゃん、やったよ」



ブイサインをした




「あぁ、よくやった。さすが、俺の妹だ」




爽の手を握った




「兄ぃちゃん…この事故、あたしが1人で車に…突っ込んだって言って…」




爽の呼吸がいっそう荒くなってきた




「どうしてだ?」




「だって、みんな自分のせいだって…責めるだろ?」




爽の顔が歪む




「分かった、分かったからもう何も言うな」




「兄ちゃん、今度会ったら言おうと…思ってた。心配かけてごめん」




「ば、何言ってんだよ?妹の心配をするのが兄としての勤めだろ……んっ、そぅ?爽!!」




「柊!!血圧低下している。脈も弱い」




爽は死なない、死なせない!!







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