恋模様2



「佐伯、あたしたちには温かい希望が待っているのかな?」




佐伯は変わらずあたしを抱きしめたまま、離そうとはしない




「このままじゃ、あたしたちもっと…」




そこまで言って、涙で言葉が詰まってしまった




このままじゃ、あたしたち……



迷子になっちゃうよ




佐伯が頭をさすってくれた。その手の温かさに、声が我慢できなくなった




「うわぁん!!」




佐伯も本当は声を出したいんだろうけど…、ごめんね




佐伯、あたしが壊れてしまわぬよう、迷子にならないように支えて…




爽の病室には、あたしの泣き声と機械の音が響いていた




早く目を覚まして…




爽………








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