恋模様2
俺たちの前に出されたスケッチブックには、簡潔に書かれていた
−誰から聞いたの?−
誰から…、えぇっ、と
「君がよく知っている人さ…」
曖昧な言い方だけど、今はこう言った方がいいと思った
健太君はまたスケッチブックに書き込み、俺に見せてきた
−誰?−
さっきよりも大きく書かれた字に威厳が感じられる
俺はふっと息を吐き、口を開く
「男みたいな名前の人のお兄さんからって言ったら?」
健太君の母親は首を傾げていたが、健太君は何か気付いた顔をしていた
「あ、もうこんな時間。お買い物に行かないと…。健太行くわよ?」
しかし、健太君はスケッチブックにまた何かを書き込んでいた
。書き終えたスケッチに、母親が驚く