恋模様2
健太君は目を開き、驚いていた。やはり、俺が爽の恋人だとは少しも考えてはいなかったのだろう
「あ、ごめんな。こんな奴が恋人だなんて、おかしいだろ?」
何とかその場をやり過ごそうとしたのだが、自分ふがいなさがはっきりとして、なんだか悲しくなってきた
−ごめんなさい−
次に見せられたスケッチブックに書かれていた言葉
−僕は、お兄さんを悲しませてしまって−
スケッチブックをめくるたびに現れる言葉と涙
−僕のせいで、爽お姉さんが…。本当にごめんなさい−
この小さな胸にどれだけの後悔と怒りや悲しみを押さえていたのだろう…。俺は健太君を優しく抱きしめていた
健太君は小刻みに震え、静かに涙を流す
「違う、違うぞ。あれは、事故。事故だったんだ。誰のせいでもないんだ」