恋模様2
「まずは、勇気を持つんだよ。勇気で一歩踏み出すんだ」
健太君はキョトンとしているようだった
−ゆうき?−
「そう、今健太君が必要なのは"事故を乗り越える勇気"さ。自分を責めたり、悔やんだりした気持ちは分かるよ。だけど、それじゃあ前には進めない」
進むためには−
「悔やんだりしないで、爽を信じて。爽は絶対に戻って来ると信じて」
健太君はいつの間にか泣いていた
「そして、自分の出来ることから始めるんだ」
健太君は「それは何?」と言っているかのように、俺を見つめていた。俺は無言の問いに答えるように、健太君の頭を撫でる
「健太君はまず、自分のケガを直さなきゃね」
健太君は俺にしがみつき、俺の胸に顔をうずめながら泣いた
俺は震える小さな体を、優しく抱きしめた