恋模様2
俺は高校に足を踏み入れた
幸い今日は休日で、警備のおじさんしかいなかった
ちょっと思い出の校舎が見たいと言うと、おじさんは二つ返事で通してくれた
校舎を歩くと、その当時を思い出す
変わらない教室の落書き、変わらない傷んでいる柱
そのどれもが懐かしかった
階段を昇る
行き先は知っている
重いドアを開けると、変わらない「ギィ」と音がした
重い扉を開けると冷たい風が頬を撫でた
変わらない屋上、景色
俺は何だか哀しくなって、腰を下ろした
みんなあの頃と変わってはいなかった
爽とふざけた校庭も、爽に別れを告げた廊下も、この屋上だって…
ただ、一つないものがあった
それは、かけがえのない爽の存在だった