恋模様2
俺は寒いのをお構いなしに、その場に寝転がった
「あの頃は、楽しかった。爽がいて、ヤスがいて、日村さんも…」
空を見上げると、夕立がかる空が幻想的だった
「爽と出会った時も、ちょうどこんな空だったな」
「堂々敦、君は写真が好きなのか?」
爽の言葉を思い出す
「わぁ、すげぇなっ!!こんなわくわくしてんの久しぶりだ」
俺のカメラを借り、レンズを覗く爽
「敦が言ってたレンズごしの世界、自分も感じられっかな?」
「敦も空好きなのか?」
「そうだっ。敦、この空の写真撮ったら、自分にくれないか?」
爽のあの笑顔が、とても魅力的だった
あの時から、俺の恋は始まっていたんだ
−写真が好きなのか?−
「えっ?」
何処からか、声がした
起き上がってみると、そこにはあの頃のままの"爽"がいた