恋模様2



「写真、好きなのかって聞いてんだよ!!堂々敦!!」





俺は目の前にいる爽が、幻だということを冷静に感じていた





でも、幻と知っていたとしても今、目の前に爽がいることが嬉しかった





「うん、好きだよ。いや、好きだったって言ったほうがいいかな…」





俺は笑うところではなかったが、笑ってみせた





「好きだったって、今は好きじゃないのか?」





高校生の爽が俺の顔を覗く





「そうだね、極力関わりたくはないかな…」





「嘘つき…」





「へ?」





爽の言葉に驚く





「敦は嘘つきだ」





爽はギュッと両拳を握っていた




「何で俺が嘘を付かなきゃいけないのさ…」





俺は困った顔をして笑った








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