恋模様2



「ほら、またっ」





「へっ?」





俺は何だか分からなかった





「敦は嘘をつくと笑うんだ。それも、苦しそうな笑い。あの時だって、お前笑ってたろ…」





あの時…
俺が爽を遠ざけようとした日





「あたしはそんな顔の敦は嫌いだ!!」





爽の顔に涙が滲む





また、俺が泣かせてしまった





俺は爽の顔に触れようと手を伸ばしたが、その手は爽の手によって遮られた





「爽?」





−ゴォォォ−





次の瞬間、目を開けられないほどの強い風に襲われた








< 62 / 88 >

この作品をシェア

pagetop