恋模様2
風の中、俺は必死に爽を捜す
「爽、爽どこに行ったんだ!!」
しかし、答えるはずもなく、風は強く吹き荒れるだけ
「…………っ、ぁ」
「!?」
風の中、爽の声が聞こえた気がした
「何で写真を諦めんだよ」
いや、確かに爽の声が聞こえる
「そ…「あたしの為か?」
俺はその言葉に、体が固まってしまった
「あたしのいない世界を写すのが、怖いのか?」
爽に俺の心の中を覗かれている気がした
「どうして…」
俺は心の中で呟いたつもりだったが、知らないうちに口にしていた
「ふっ、あたしもただ寝ているだけじゃねぇんだよ」
風が止み、目の前に今と変わらぬ爽がいた