恋模様2



−バチン−





頬に痛みが走った。爽に殴られたのだと確信した





「いった…」





「馬鹿野郎!!そんなことを言ってんじゃねえ!!」





爽の涙が零れ落ちた。





「あたしは写真を撮っている"堂々敦"が好きなんだよ!!今のお前は死んだ目をしてる」





俺が?死んだ目を?





「あの時の目はキラキラしていて、かっこよかったぞ…。そんなお前の写真が、あたしは好きだった」





そう言う爽の顔は、今まで見たことが無いほど哀しそうで、触るとすぐ壊れてしまいそうだった





「そんな…そんな写真を撮る敦が誰よりも輝いていて、大好きだった…。敦は写真、本当に嫌いになっちまったのか?」





爽の口から零れる言葉一つひとが、俺の感情を揺らす








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