恋模様2
「爽!!」
さっきまで抱きしめていた体も透け始めていた
「爽、俺頑張ってみるよ!!もう一度、コンクール出て賞を撮る、だから、爽も必ずかえって来てよ!!約束だかんな!!」
爽は何も言わずただ、コクンと首を縦に振った
目も開けられないほどの風が止んだと同時に、爽の姿がなかった。ただ、さっきと変わらぬ美しい夕日が、俺を照らしていた
さっきまでのもやもやとした、複雑な思いは無くなっていた
「爽、行くよ!!」
ポケットの中に小さくたたまれた1枚の紙を握り、走った
目指す場所はただ一つ…
−バァン−
「どうしたんだ?そんなに息を切らして…」
「社長、俺、これに参加します!!」