恋模様2
「だって、だって、爽が苦しんでる時にもあたしは恋をしていたんだよ?」
日村さんの瞳から涙が溢れていた
「何言ってんだよ?」
爽が突然大声を出すもんだから、3人して目を丸くした
「円香だって苦しんだんじゃないか?」
爽が一歩、また一歩と日村さんとの距離を縮める
「あたしずっと知っていた。円香が康弘のことが好きだということ。だけど、康弘の隣にはいつも彼女がいた。円香はずっと苦しんできたんじゃんか」
爽がそっと日村さんの頭を撫でた
「おめでとう、円香」
「ふっ、う、うわぁ〜ん」
日村さんは爽の胸にしがみつきながら泣いていた
「ったく、しがみつく胸が違うだろ?もう、円香には喜びも悲しみも分かち合う人が出来たんだろ?」
日村さんは顔を上げ、右を振り向いた
康弘は両手を拡げて、優しく笑っていた