恋模様2



「爽、ごめんね。あの頃のあたしは、自分の幸せにしか目がなくて、爽の幸せなんか考えもしなかった…」





あたしは眠る爽の手を握った





「だからね、爽。あたしの幸せには爽が必要なの。結婚の答えも待ってもらってる。だって、爽と一緒に喜びたいもの」





気が付くと涙が流れていた。その涙は温かく、あたしの心を潤してくれている気がした





「あっ、いけない。何泣いちゃってるんだよね。あ、そうそう…。敦君明日発表なんだよ」





カレンダーを見ると、今日の日付に赤丸がしてあった





「もうびっくりしたよ。急に扉が開いたと思ったら、コンクールに出るとか言って…」





そう、それは3ヶ月前に遡る








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