恋模様2
「聞いて、俺…コンクールに出る!!」
「えっ!?」
「はぁ?」
病室の扉が勢いよく開いたかと思うと、息を切らした敦君が入って言った
突然のことで、あたしと康弘の反応は当然のことだった
「ほら、前に康弘が出ろって言ってた。あれだよ!!」
病室を出ていった時と今では、だいぶ雰囲気が変わっている
「急にどうしたんだよ?出ないってお前、言ってたろ?」
そう、あたしたちは確かに敦君の口から、出ないと聞いた
「爽がさ…、出ろって背中を押してくれてんだ」
あたしたちは敦君を否定せず、静かに微笑んだ
「それで写真館の社長にも、もう了承は得ているんだ」
はきはきとした口調で話す敦君は、高校時代の時と同じくらいに輝いていて見えた
敦君がそっと寝ている爽の傍に歩み寄り、手を握った
「爽、心配かけてごめんな。それから、ありがとう。俺、頑張ってみるよ。だから爽、必ず帰ってこいよな…」