恋模様2
「何もたもたしてんだよ!!」
ドアから現れたのは、いつもより気合いの入った容姿の康弘がいた
「ご、ごめん。ネクタイが…」
「ったく、貸せ」
康弘は強引にネクタイを奪い、手際よく結ぶ
今日の会場は佐伯グループのホテル。つまり、康弘ん家のホテルなのだ
3年前、俺が賞を取った日を思い出す。爽に殴られた痛みも、爽の涙も、爽を抱きしめた温もりも、全て覚えている
「はい、完璧だ」
「ありがと」
康弘にしてもらったネクタイは、綺麗だった
「ほら、もう時間ないんだから行くぞ!!」
「おう」
そして俺たちは、足早に会場へと急いだ