恋模様2




それは、昨日のこと…





円香から爽が危ないと連絡があった





急いで駆け付けると、病室には爽の兄貴と泣きじゃくる円香、その横を忙しく歩き回る医師の姿があった





3年間健やかに眠っていた爽に、神様からの手が差し延べられている状況だった





爽は今居る病室から違う病室へと移され、俺たちはそこに入ることを禁じられた





敦に連絡しようと取り出したケータイを、円香に取り上げられた





「敦君だけには言わないで、敦君、明日を楽しみにして頑張ってきたんだから…」





小刻みに震える円香の体を優しく抱きしめた





「俺からも頼む、康弘」





爽の兄貴に頭を下げられてしまっては、敵わない。俺は了承した





そして、そんな俺たちの前に現れた医師に言われたんだ





「柊さんは明日が山です…」





俺たちの頭が真っ白になった







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