恋模様2
「敦、特選おめでとう」
えっ…、なんで
「ヤスから聞いたぞ」
涙が零れ落ちる。逢いたかった人が今、俺に笑いかける
「ぷっ、何だよその顔は。なんか言うことはないのかよ」
変わらない、変わっちゃいない。今もそこにある温もり
俺は駆け出して、抱きしめる
「あ、敦!?」
今、爽の顔は真っ赤になっていると思う。俺は、爽の顔が見えないほど強く抱きしめていた。いや、確かめていたのかもしれない
「爽、馬鹿だよ…。みんなに心配かけて…」
涙を堪えながら、言葉を吐き出す
「でもな…、信じてた。きっと帰ってくるって…」
病室には、日村さんや、爽のお兄さんがいた気がしたけど、そんなのは、眼中にはない
「俺………、爽がいなくなったら……!!」