シュガー*エッセンス(加筆修正中)
声をあげて、泣いた。
これは違う。
これは演技。
先生の行動にびっくりして泣いてしまった、可愛い“アイナ”の演技だから。
先生の言葉に、泣いてるわけじゃない。
「驚かしてごめん。」
悔しかったの。
あたしを見る先生の真っ直ぐな目は、偽りなんか持ってないような気がして。
あたしの背中を宥めるように撫でる先生の大きい手は、優しさが溢れ出している気かして。
人間なんか、作りものでしかないはずなのに、
先生が作り物に見えない自分が、嫌だった。