シュガー*エッセンス(加筆修正中)
どうしたのよ、あたし。
いつもみたいに『そんなことないです』って謙遜して、控えめな子を演じなさいよ。
さっきの数学のテストだって、完璧な笑顔で照れくさそうに微笑んでいたじゃない。
なんで、それができないのよ。
「……汐留?」
ドキン、とした。
覗き込むようにあたしの顔を上目使いで見てきた、センセーの子犬みたいな目。
直視できないその目は、あたしの視線を捉えて離さない。