シュガー*エッセンス(加筆修正中)



―…尾崎センセー。


だらしなく、出席簿を片手に持って歩いてきて。

センセーはただ、あたしたちの存在に驚いたように、まばたきを繰り返していた。



「…あー。」



気まずそうに眉を寄せて、困った顔をするセンセー。

足の裏が廊下に張り付いたように、その場から動けない。



「邪魔してごめんな?」



……なんで。

なんで、そんなこと言うのよ。



「……あ。」



中途半端なタイミングで、流れてきたチャイム。

それに引かれるように天井を見上げたセンセーは、申し訳なさそうに苦笑いする。



「チャイム、なっちまった…。」



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