シュガー*エッセンス(加筆修正中)



「愛奈!」



センセーがパンッと、あたしの視界の中で、机を軽く叩いた。


条件反射で、顔をあげてしまうあたし。

こういう時ばかり、名前を呼ぶなんてずるい。



『…容易く、名前を呼ばないでください。』



イヤだった。

完璧じゃない世界にいる、自分が。



ここは身動きが取れなくて、苦しい。


“バレてしまったから、もうどうでもいいや”っていうあたしと、まだ良い子ぶろうとするあたしが、攪乱する。



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