シュガー*エッセンス(加筆修正中)
いつの間にか勢いは消え、語尾は弱々しいものになっていた。
どうにもできない感情の嗚咽が、あたしの声を詰まらせる。
「汐留…。」
センセーは困ったように、あたしの隣に座っていた。
あたしを落ち着かせるように、優しくあたしの背中を撫でて。
何も言わずに、頷いてくれる。
『…止めて。』
いいよ。
そんなこと、しなくていいよ。
どうせあたしが、“生徒”だからでしょ?
仕事だから、あたしを優しくしてるんでしょ?
だったら…、
「―――…愛奈。」
…なんで、こんなにも。
なんでこんなにも、大切にあたしの名前を呟くんだ。