シュガー*エッセンス(加筆修正中)




あの時の世界は、確かに完璧だった。
全て作り物だったけど、あたしの居場所は凛と輝いていて。



…いつ、手遅れになってしまっていたんだろう。

本当はすでに、自らを泥の中に落としていたのに。




『おはよー!』



意を決して、教室の扉を開けた。


まだ完璧な世界。
崩れ落ちる、直前。


1オクターブ高めの声を出したあたしには、まだ居場所があると思っていた。




『……あれ?』



ーーすでに、世界は変わっていたの。



< 251 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop