シュガー*エッセンス(加筆修正中)



何も聞こえない。


いつもはあたしの“おはよう”に犬のようにすり寄ってくる男子も、気持ち悪いくらいに媚びを売りながら手を振ってくる女子も、
そこには、存在しなかった。


存在していたのは、教室の中で悪魔のように君臨していた、あたしをまっすぐと睨んでいる
ーー冴花の姿だけ。



『……。』



…ああ、あたし、どこで失敗しちゃったんだっけ。


空気を読むのが上手いあたしは、わかる。

冴花は、何らかの原因であたしに怒りを持っていて。あからさますぎるクラスメートの反応も、きっと彼女が牛耳ったもの。


そこまでは、わかる。
あたしはどこで、間違えた?





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