シュガー*エッセンス(加筆修正中)
家が、嫌いだった。
愛されてないわけではないんだけど、常に愛されてるかと言われたら、そんなことなくて。
気分や機嫌、あたしの成績で全てが変わる。
完璧ではないこの空間は、どうしても好きになることができなかったの。
「愛奈!」
オカアサンの声が、背中越しに聞こえる。
振り向かなかった。
振り向こうとも、思わなかった。
あたしが外に出ちゃえば、オカアサンは追いかけてこないことをあたしは知ってる。