pianissimo
***
「うぃーす。」
「はよ。」
次の日、高校生の彼女、藍原亜理子(アイハラアリス)が本来学校にいるべき時間に
彼女は彼女と、彼女の仲間のたまり場とすっかり化した
廃墟ビルの3階にいた。
「てかあんたまたぼろぼろにやったんしょ?
ほんとよくやるよね。」
「でしょ?
てかだってウチのこと女だからって見くびってくるんだもん。
腹たったわぁ」
亜理子は普段の一人称はウチだ。
そして標準語。
喧嘩してるときのみ、
俺になり関西弁になる。
「ほんと亜理子、強いよな
女じゃねぇんじゃねーの?」
「は?女だから。
これでも華の女子高生やってます。」
横から野次入れてきたのが、
19歳で亜理子の幼なじみの崎野輝(サキノアキラ)
「学校行ってねぇのに?」
「お、輝言うねぇ!」
「ちょ、輝お前いっぺん地獄見て来い、
俺が連れてってやるわ。」
「きゃー!桜(サクラ)助けて~!
ルナ様ご降臨だよ~!」
ルナと言うのは、亜理子が喧嘩する時に使う名前だ。
「ちょ、お前男なんやったら、
いちいち女に泣きつくな、気持ち悪い」