白狐の書
──家に向かって歩くこと、五分とちょっと。
赤信号が、青信号に切り替わるのを待つ。
日曜日だというのに、人気はいつもよりも少ない。
日曜だからか?
日曜日という日は、存外、歩く人間は少ないものなのかもしれない。
家族で出掛けたり、家でゴロゴロしていたり、人によってそれぞれだ。
「つうか、俺も家でゴロゴロしてたかったなぁ……」
そんな愚痴をこぼしながら、青信号に変わった歩道を、ふらりと歩みだす。
そして、次の瞬間には──