白狐の書
……おい、俺の血飲んでるぞ、こいつ。……狐っつうか、吸血鬼じゃねぇかよ。
真っ白な悪魔は、動けない俺の上に股がり、俺の血を啜っている。
あまりにも異様な光景に、意識がどこかに吹っ飛びそうだ。
ついでに、出血多量で意識が吹っ飛びそうなのだが、そちらは、吹っ飛んだら最後、二度と戻ってくることのない意識になることだろう。
「お、おい……っ……出血死するぞ、俺っ……ケホ……」
無駄に喋ると、余計に血液が失われる。
なぜかと言えば、咳き込んで、口から大量に血を吐いてしまうから。