白狐の書
「意味分かんねぇ……」
「何がだ?」
「……なんで俺が生きてんのかってことと、なんで傷がないのかってことの意味が、全く分かんねぇんだよ」
「?……白狐の書を使ったからだろう?」
「だから、なんなんだよ、その『白狐の書』ってやつは。神様の所有物かなんかか?」
「いいや、私の所有物だ」
「……あっそ」
……マジで、意味不明。
全身を白で埋めつくし、その鋭い目付き以外は、純真無垢そうな雰囲気を醸し出しているというのに。
どうしてだろう。なぜか、とてつもなくいらついてきた。