白狐の書
「こう言うのもなんだが、この本を使うのは本当に久しぶりだ」
「五年くらい使ってねぇの?そりゃあ、そんな万能アイテム、ホイホイ使ってやるわけないか」
「十何年かぶりだ。……まぁ、そんなに昔でもないな」
「……いや、すげぇ昔だろ。想像以上にケチだな、お前」
「高貴な私に向かって『お前』とは何様だ!」
「何様、俺様、蓮様」
「お前の名前など、どうでもいいわ!……とにかく、私は高貴で偉大な九尾の白狐だ。『白狐様』と呼べ」
「白狐、とにかくその格好は目立つから、着替えた方がいいぞ」
「様はどこに消えた!様をつけて呼べ!……大体、時間が止まっているのに、目立つも何もないだろうに」