白狐の書


 ……って、んなこたどうでもいいんだっつの。





 と、自分の思考にケチをつけながら、俺は更に名前について考える。





 白い……狐……白狐……白……しろ……。





 「もういっそ、シロとかでもよくね?」

 「なんだそのちんけな犬のような名前は!?お前、私を馬鹿にしているだろう!?」





 ……バレたか。





 真面目に考える気力もない。というよりも、真面目に考えられるだけの頭がない。

 結果、まともな名前も思い浮かばない。





 ……シロ……白……ハク……。





 「ハクは?」

 「白という漢字を、訓読みと音読みで変えただけのとてつもなく下らない名前だな」





 却下らしい。


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