あなたたちは私の宝物
『もし出来てたらどうする?』

『そうなってみないとわかんないよ』

結構冷たい返答だった

私は何も言えなかった

やっぱり捨てられる

そんな風にしか思えない

どんどん手が震えてきた

泣き出したいくらい

もうここで終わり

終わっちゃうんだ

私は膝を抱えたまま
10分という長く感じるその時間を過ごした

『時間だよね』

『うん』

もうマサの目を見る事も出来ないでいた

私はゆっくりと箱からそれを取り出した…

2人の視線は1点に集中していた

じっとそこだけを見た






2本の線が出ていた






それははっきりとピンク色の線が出ていた

私の妊娠を確定させた

あぁ、やっぱり

私のお腹の中には赤ちゃんが居るんだ

マサと私の子供が居る

『どうしよっか…』

私の口からようやく言葉が出てきた

目の前に突き出された疑いもない証拠を
ただ見つめているだけ

テレビの笑い声がとても邪魔な存在だった

『何か言ってよ』

何も言わないマサに苛立ちが出てしまう

『どうしよっかって出来たもんなら
悩む必要はないだろ?』

『え?』

『産むしかないだろ』

それってもしかして?

私と結婚してくれるって事なんだよね?

そうなんだよね?
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