世界一長い10メートル
心配そうに俺を見つめる菜々子。
かわいい。君はいつも可愛くて素直で
輝いている。
「眩しいよ。菜々子。」
『どういうこと?』
君は気付かないんだ。自分が眩しいくらい希望に満ち溢れていることに。
輝いていることに。
「俺はもう22だ。」
『どうしたの?待って。私何か…』
俺は続けた。
「22なんて社会にでればまだまだ若くて。子供で、でも」
『和幸君!』
「菜々子より大人だ!」
つい大きな声を出した。
菜々子を驚かせてしまった。
『私何かしちゃったの?』
菜々子の大きな瞳からは
今にも涙が溢れそうだった。
その溢れた涙もまた綺麗に澄んでいて
胸が締め付けられた