世界一長い10メートル
俺は1人車に乗り込むと
勢いよくエンジンをかけ
走り出したが
10メートル程でブレーキをかけた。
「ありがとう。ごめんなさぃ。」
あれだけ泣いたのに。
まだまだ涙は溢れ続けた。
振り返ればまだ見える
大好きな人が暮らす家。
すぐそこに。
戻れるかもしれない。プライドも何もかも捨てて
ごめんやっぱりこんな俺でも一緒にいてよ
なんて笑って見せれば。
すぐそこなのだから。
また一緒に過ごせるかもしれない。