世界一長い10メートル
少し寒くなった秋空の下

その女性はいつもストールを触ってる。

癖なのだ。きっと。







いつも同じように。



だけど今日は少し違う。



部活を終えた20時少し前の帰りの電車。

乗り込んだ電車の隣の車両にあなたは座ってた。






どこに行くんだろう。
どこに行っていたんだろう。



気が付くと林 侑希の降りる駅を通過して。


すっかり彼女の世界に入り込もうとしていた。
< 22 / 28 >

この作品をシェア

pagetop