世界一長い10メートル



彼女の降りた駅は、普段乗ってくる駅の3つ先だった。




初めてだ。いつもの駅を過ぎるのは。



過ぎてみようと思うのも。



あなたを追ってこれたから。あなたと出会えたから。



なんて、一方的にドラマのような想像を膨らませた。




ハラリとあなたから落ちてきたハンカチがまた



若い青年の想像を輝かせる。


話が出来るかもしれない。



と。
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