世界一長い10メートル
歌を歌うその顔は
幸せそうな笑顔に見えた
涙を堪える強い顔にも見えた
何かにすがるような悲しい顔にも見えた
何より女性とその目の前に立てられた小さな石碑の間に
深い深い愛が見えた
週に一度だけ会える大人の女性
いつも気になってた大人の女性
なぜいつもあんなに眠たそうなのか。
同じ電車に乗り、どこで降りているのか。
大切そうにいつも巻いているあのきれいなストールは大切な人にもらったものなのか。
知りたいことはたくさんあったのに
近づきたいはずだったのに
今は足が動かない