小さな彼女とクールな彼氏
ちょうどその時あたしの目の前が暗くなった。

少し離れて目の前に出されたものを確認する。

「な…なにこれ。」

目の前にはペアのキーホルダー。

差し出した人は菜月。

「何って…キーホルダー?」

「いや、それは見れば分かるけど…。」

「え?美姫、時羽クンに買わないの?お土産。」

あ、あぁ…そっか。

あたしと菜月じゃなくて

あたしと大輔…ね。

「いや、買うけど…もっと見てからにするよ。」

もっと別なところにもペアのやつあるし。

って、あたしったら大輔のお土産は

ペアのやつ買う前提になってるしっ!!

「何、美姫ぃ~?大輔に買っていくの?」

菜月の後ろからひょこっと顔を出した陽梨。

「あぁ…うん…まぁね。はは…。」

苦笑いを浮かべながら返事をする。

「おーい。」

後ろから聞きなれた男子の声が聞こえた。

あたしのグループには男子がいないから

きっと果奈たちのグループの人だろう。
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