小さな彼女とクールな彼氏

美姫side

ここは、どこ?

目が覚めたあたしは

周りの世界を確認する。

「まだ、夜なのかな?」

少し寝ぼけながらも

周りが真っ暗だったから

夜なんだと分かった。

「あれ…?大輔?」

ここは家のはずなのに

目の前には愛しい人の後姿。

「大輔ー!」

あたしはそう叫びながら

体を起こし、大輔の元へ走り出す。

「美姫?」

あたしの声が大輔に届いたのか、

大輔は振り向いてあたしの姿をじっと見つめる。

「どうしたの大輔?

あたし、寝癖ひどかったかな?」

「あはは」と笑いながらぐちゃぐちゃの

髪の毛を手で触る。

だけど、さっきまで向けられていた視線は

あたしではなく、見たことない女の子へと

向けられていた。
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