小さな彼女とクールな彼氏
「そ…そうだったのかぁ」

「何で落ち込んでるんだよ!?」

「だって、あたしが一番だぁって思ってたから」

「残念でした~」

大輔があたしの手を掴み、歩きだした。

「わわっ!ちょっ…」

「ん?嫌だったか?」

そう言って繋いだ手を離した大輔。

ホント意地悪なんだから…。

「ううん。別に嫌じゃなかったよ」

笑いながらそう言った。

「そうか」と言ってまた手を繋ぎ始める2人。

振り向くと、雪にはあたしたちの足跡。

珍しく車も通らない。

なんだか2人だけの世界みたい。

そう思ったあたしは静かに微笑んだ。
< 216 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop