小さな彼女とクールな彼氏

美姫side

「あお~げば~とお~とし…」

とうとうこの日がやって来てしまった。

目の前には、あたしたちの親と、後輩たち。

そう。今日は卒業式。

今日で中学校生活が終わる。

みんな歌を歌っているはずなのに、

時々しゃくりあげたり、鼻をすする音が

聞こえてきたりしていた。

その1人があたし。

もう、思い通りに呼吸ができない。

あたしは手に持っているハンカチで、

涙をふきながら呼吸を整える。

「卒業生が退場します」
< 226 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop