小さな彼女とクールな彼氏
「菜月が綾紗連れてトイレに行ってた」
机に顔をつけたまま陽梨が言った。
なぁんだトイレか。
額から汗が流れてくる。
7月にもなっていない6月下旬。
さっきまで雨が降ってたからジメジメする。
ふと外を見ると1年が校庭を走っていた。
次の授業は体育なんだろう。
「たらちゅ~♪」
後ろから声が聞こえたから振り向いた。
声の主は菜月。
「トイレ少女お帰り」
あたしは菜月にあだ名をつけてあげた。