私の依頼主さん。
処置が済んだようで、宗田さんは立ち上がる。


『明日、お前は非売品だ。
わかったな』

「…はい」

『部屋に戻れ』


野太い声を聞き、私は立ち上がって頭を下げたあと、部屋を出た。


さっきの感触が、まだ首に残って気持ち悪い。

私は自分の首をさすって溜め息をついた。


気持ち悪い。

額が痛い。


ただ、ハンドクリームを借りに言ったはずなのに。


私は目を閉じ、深呼吸をしたあと自分の部屋に戻った。

< 13 / 40 >

この作品をシェア

pagetop